介護・福祉関係

【思いやりが必要】羞恥心へ配慮をする姿勢を意識しましょう

以前、このような投稿をしました。

介護士は介護技術や認知症ケア、医療知識といった専門的なスキルが求められ、研鑽を重ねながら日々向上していく必要があります。

それと同時に、相手を思いやることができる対応、羞恥心へ配慮する姿勢といった人間力も向上していくことが必要です。

特に羞恥心への配慮は、介護士として普段から意識しなければいけないことだと思っています。

羞恥心とは

まず、羞恥心とはどう意味か。

羞恥心とは、自分の過ちや思い違いなどによって生じる苦しい感情のことである。簡単に説明すると、はずかしい気持ちになり屈辱感を味わうことである。英語では恥の意味を持つ shameと表現する。羞恥心は、対人関係を有した上で成り立つ感情である。言い換えれば、人を介していないと存在しないため、人が下す判断によっては恥ずかしいという気持ちが覆されることもある。

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恥ずかしいと感じる瞬間は、誰しも経験します。

もちろん、認知症や知的障害により理解力が低下していても感じることです。

具体的場面

私は介護士として、特別養護老人ホーム(以下特養)で勤務しています。

羞恥心を配慮しなければならない場面は多々ありますが、主な場面を挙げるならば排泄関係になると思います。

特養に入所する利用者のなかには、自分のタイミングでトイレに行かれる方もいらっしゃいますが、重度の認知症や身体状況によって、常時介護が必要な方がほとんどです。

利用者個々の生活パターンがあり、排泄時間もおおむね決まっているため、時間が近づけば声を掛け排泄誘導するようにしています。

この排泄誘導の対応で、羞恥心を配慮しているかいないかがわかります。

例えば、リビングで過ごしているAさんに排泄誘導の声掛けをする際、

他の利用者もいるなか、大きな声で「Aさんトイレに行ってみませんか?」と声を掛ける。

耳元で「Aさんトイレに行ってみませんか?」と、他の利用者に聞こえないトーンで声を掛ける。

どちらの声掛けが羞恥心を配慮しているのか。

当然、耳元で声を掛けることです。

排泄に関することは、たとえ年齢を重ねようと恥ずかしいことです。

たとえ丁寧な言葉だとしても、周囲に聞こえるような大きな声で言われるのは、思いやりがなく利用者を傷つけてしまいます。

利用者を思いやり、羞恥心へ配慮する対応。

介護士として、意識しなければいけないことだと感じます。

実際できていない介護士が多い

羞恥心を配慮することは当然なことですが、意外とできていない場面が多いのではないでしょうか。

フロア内の介護士同士で

「Aさんトイレ行きました~!」

「便が出ました~!」

という声は僕が働く特養でもよく聞かれます。

情報共有は必要ですが、他の利用者に聞こえないように行なわなければいけません。

また、食事中に排泄に関する内容を言うこと。

これも、食事をしている最中の方に配慮ができていないのと、トイレに行くことを他人に知られたくない方にとっても配慮ができていない対応ですよね。

いけないことだとわかっていても、無意識で行なっていることがほとんだと思います。

状況を見極めながら、利用者が恥ずかしいと感じないような声掛け、誘導をする。

自戒も込めつつ、意識して取り組んでいきましょう。

まとめ

羞恥心を配慮することは、利用者の尊厳を守ることと同様です。

日常的なごく当たり前の配慮を積み重ねることで、利用者の笑顔や幸福にもつながります。

逆に配慮に欠けることが積み重なれば、利用者の不満や不快感は日々たまっていきます。

介護技術が完璧で認知症や医療に関する知識が豊富でも、普段の声掛けや対応に相手の配慮がなければ、良い介護士とはいえないと思います。

相手を思いやる心。

状況を見極めて周囲や個人に配慮できる対応。

こういった対応をスマートにできる介護士はかっこいいと個人的に思います。

スキルと人間力、両方を兼ね備えた介護士になれるよう、日々研鑽していきましょう。

本記事の内容は、菊池雅洋さんの著書『介護の誇り』を参考としています。

個人的に、この本を通して人間力をおおいに高めれる内容なので、介護士の方はぜひ読んでみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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